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60年たっても色あせない「自由と規律」

ずいぶんと前に読んだけど、レビューがまだでした。

これを読んで思い出したのが、2005年に滞在したイギリスのケンブリッジでの生活。
著者が実際に滞在したリース・スクールもケンブリッジであり、「ああ、そういえば、あった、あった」というのがいくつあった。

ケンブリッジで知り合った景観学者によれば、「イギリス人は100年前と風景が同じところに誇りを感じる」と言っていたように、著者がリースに滞在した1920年代、本書が出版された1949年、そして、自分がケンブリッジに滞在した2005年、そして、今、その風景は変わらない。

風景は、さておき、この本は出版されてから60年以上もたっているけど、普通に書店に置かれている。なぜ、60年も前の高校生活を語ったものであるのに、いまだに読み続けられているのか?

当然だけど、それは60年たっても変わらない本質がこの本には凝縮されているから、それは1000年以上たってもいまだに読まれている源氏物語などの古典と同じだ。では、その本質とはなにか。

このタイトル「自由と規律」で言えば、自由についてはほとんど語られていない。むしろ、いかに規律が厳しいか、これが本書の中心となっている。日本で言えば、中学・高校時代に規律を厳しくすることは、人格形成にどういう影響を与えるのか?池田は、慶応の中興の祖 小泉信三の見解をこう引用する(p89)


「何れにしても何事も少年等のほしいままにさせぬことは、自由を尊ぶイギリスの学校としてわれわれの意外とすべきものが多い。しかし、ここに長い年月の経験とがついやされてゐることを思わねばなるまい。」
「かく厳格なる教育が、それによつて期するところは何であるか。それは正邪の観念を明にし、正を正として邪を邪としてはばからぬ道徳的勇気を養ひ、各人がかかる勇気をもつところにそこに始めて新の自由の保障がある所以を教へることに在ると思ふ。」



まさに至言、この本の本質をすべて言い尽くしている。そう、60年前だろうが、100年前だろうが、現在だろうが関係ない。たとえ、世の中がどう変遷しようとも、何が正しくて、何が悪いのか、その”道徳的勇気”を養うには、厳格な教育でしかないと。そして、世の中の流れが速くなればなるほど、その価値判断が難しくなる。そこでもちゃんと判断できること、これが「ノブレス・オブリアージュ」すなわち真のエリートであると。

ケンブリッジにいたときパブリックスクール出身の学生と何人かあったけど、文武両道でしっかり自分をもっていて、とても優秀な印象を受けました。そう、これは景観と同じで、60年経過しようが、”道徳的勇気”は変わらずに受け継がれている。

極端な話をすれば、何が正しくて何が邪なのか、この能力は人類が存在しつづけるかぎり必要なスキルだ。本書が60年たってもまったく色あせないのは、この本質を自身の体験を以ってえぐっているからといえるだろう。そういう意味でエキサイティングな本でした。

自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)
(1963/06)
池田 潔

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