僕は1996年からインターネットを使っているので、普段、知りたいことがあると、インターネット(だいたいGoogle)で検索する。インターネットで見つからなかったことはほとんどない。
そういう意味で、最近のタウンページのCMを見るととてつもない違和感を感じる。 そのCMとは、石原良純が全国の困っている人を訪ね、タウンページから該当する業者を探して、電話して問題解決するという内容である。
そして、この”違和感”はつまるところ「べつに、タウンページで探さなくても、インターネット使えばタウンページは必要ないのでは?」に尽きる。
論より証拠。まずは、タウンページのホームページで過去のトレンドを調べてみた。
タウンページNETによれば、タウンページ全体(タウンページ+ハローページ+タウンページ・ハローページ)の発行部数は図1の通り2000年と2007年とでは1,000万部近く減少している。そういう意味で、タウンページは必要ないのでは?という最初の仮説はある意味正しいかもしれない。
ただし、2005年のタウンページの発行部数を見てみると、灰色で網掛けしたように5,591万部(2004年)から6,057万部と発行部数が前年比+8.3%増えている。図2のハローページの発行部数が一貫して減少しているのとは対照的だ。
この違いはどうもハローページとタウンページの性質の違いにありそうだ。ハローページはいわゆる電話帳、検索したい名前があらかじめ分かっていて、そこから電話番号を検索する。これ以上の機能も知恵もないので、発行部数はこれから伸びることはないだろう。
一方、タウンページは、
ここにも、
タウンページ巻頭の「職業名・サービス名一覧」(50音別索引)から、自分の探したい職業・サービス名(約2,000業種)を見て、該当するページをめくります。様々な広告を比較しながら、目的にぴったりのお店を見つけてください。
という説明があるように実は用途が幅広い。経営陣としては、2005年にハローページの純減は致し方ないが、タウンページはこれからも拡大すべきという戦略にみえる。冒頭の石原良純のCMもその一環だろう。
その背景には、インターネットが普及したといえども、ある地域で似たようなサービスを提供している企業をサーチする、という需要がそれなりにあるからだと思う。自分が思い浮かぶ例では、飛び込み営業。世の中進歩したといえども、飛び込み営業は依然存在する。そして、飛び込み先候補選定はウェブで調べるよりも、タウンページで手当たり次第かける方が、”地域密着”という点で有効といえそうだ。
ただ、ブリタニカ百科事典がインターネットに置き換えられたように、タウンページサービスもいずれインターネットに置き換えられると思う。ただし、現在のインターネットでは、ある地域で似たようなサービスを提供する企業はタウンページに比べたら母数が少ないので、まだ、それなりにタウンページの需要があると考えられる。
そして、タウンページを使うモチベーションは情報を検索する方のリテラシーというよりも、中小企業など情報を提供する方のリテラシーの方が大きいと思う。日本に約430万社あるといわれる中小企業のうち、いったいどれだけがホームページ、ブログで情報を発信しているのだろうか?具体的なデータはないけど、その比率は低いと思われる。だとしたら、ホームページ、ブログではなく、タウンページに広告を載せた方が費用対効果が高い場面もそれなりにあるはずだ。
立ち返って、最初の疑問「インターネットを使えばタウンページは必要ないのでは?」。これは、情報を検索するリテラシーがある身に付いていれば、答えはイエス。でも、情報を提供する側に立てば、インターネットは敷居が高いのでノー、タウンページは必要だと言えると思う。そして、まだまだ、インターネットには未開拓のフロンティアがあるのだ。
図1:タウンページ・ハローページの発行部数、本文掲載件数、総ページ数、広告掲載数の推移

図2:タウンページとハローページの発行部数推移グラフ
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