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クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図【書評】

最近、クラウドコンピューティングについて調べている関係で読んだ本。

ただ、これがクラウドコンピューティングについて解説してるかというと、やや疑問。

むしろ、クラウドコンピューティングに取り組むGoogleとUSシリコンバレーの動向、の方が正しいと思われる。この点に関しては、Googleに買収される前のアンドロイド社設立の背景など、長年の経験を生かした筆者なりの独自の視点から迫っており、面白い。

一方、クラウドコンピューティングに関しては、物足りない、というものあるし、筆者と自分のクラウドコンピューティングに対する考え方が違うというが大きい。

筆者はクラウドコンピューティングとは、パッケージビジネスの次にでてくるものであり、Googleが一番優位なポジション、一方、マイクロソフトはあいかわらずパッケージから抜け出せない、というのが自分の理解。本書p121でも以下のように指摘している。


シュミット氏は憎くて対マイクロソフト戦略を立てているわけではないだろう。パッケージに安住することを嫌い、ネットワークを使った次世代ソフトウェアビジネスを目指すことが、皮肉にもマイクロソフトを困らせているにすぎない。つまり、マイクロソフトがパッケージソフトから抜け出せない一方、グーグルはクラウドコンピューティングという脱パッケージソフトの世界を作ろうとしているからだ。



マイクロソフトの肩を持つつもりはないけど、クラウドコンピューティングはパッケージ vs Saasのように紋切型でとらえるべきではないと思っている。

Berkeleyが考えるクラウドコンピューティング その1では、”誰がクラウドコンピューティングインフラを提供できるか”というセクションでこう指摘している。


1.Make a strong money
2.Leverage exsiting investment
3.Defend a franchise
4. Attack an incumbent
5.Leverage customer relationships
6.Become a platform



1はともかくとして、ポイントは2. Leverage exsiting investment, 3.Defend a franchise。

とくに、3のフランチャイズを守るという点。最近のOffice 2007の場合、パッケージはインストールするものの、たとえば、クリップアートだったり、ヘルプなんかは、すべてオンライン経由になっている。これは、既存のフランチャイズを守りながらも、徐々にクラウドベースに移行するということだろう。

パッケージからクラウドベースにいかに透過的に移行できるか、これができる企業がクラウド企業の勝ち組みだろうというのが自分の見解。

パッケージを持たないGoogleは移行がない分、有利なんだろうけど、Googleのソフトウェアビジネスとしてのフランチャイズ(ブランド)は何だろう?と考えると、明らかにマイクロソフトの方が強いと思う。

最後に、スタイルの問題だけど、「2015年にクラウドデバイス時代になる」と言われてもあまり説得されない。むしろ、いまGoogleは、これだけの額を投資していて、データセンターの規模はXXXラックになるというデータでアプローチする方が説得される。

という意味で、USのIT技術動向としては面白いけど、クラウドコンピューティングの話としてはもうすこし基礎分析があれば良いと思いました。

クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図
(2009/02/26)
小池 良次

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